「何か(反対)意見はありますか?」「・・・・・・。」
「特になければ、これで決定し、会議を終わります。」
あなたのチーム(組織)では、こんな会議、多くないですか?
リーダーのあなたは、メンバーに積極的に意見を行って欲しい。
それなのに、メンバーから、なかなか意見が出ない理由・・・。
それはメンバーにとって「黙っていた方が得」なチームになっている可能性があります。
言い換えれば、「意見を言わない方が安全」。
つまり「心理的安全性が低い」チームだということです。
■心理的安全性
1999年にハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・C・エドモンドソンが論文で発表しました。
医療において、「ミスの少ない医療チームほど、ミスを起こす可能性をスタッフ同士が素直に話し合い、防止策を見つけようとしている」ことを見つけ報告しています。
ミスについて言い出せるチーム、率直に語り合えるようなチームの状態を「心理的安全性」と呼んだのです。
その後、Google社が「プロジェクト・アリストテレス」という調査で明らかにしたことでも有名です。
■意見が対立しても安全だと感じられることが心理的安全性
失敗の報告をすれば、責任を問われ追い込まれそうに感じるし、上司・先輩の意見に反対することは、自分の発言によって、人間関係に亀裂が入るのではないかと心配する。私たちにはそういう心理があります。そのため、「言うべきこと」「言いたいこと」を言わない方が安全という心理が働いてしまうのです。エドモンド氏は、心理的安全性を次のように説明しています。
「このチーム内では、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の思い」
つまり、「言うべきこと」「言いたいこと」を率直にいっても安全だと感じられるチームであること.。それが心理的安全性の高いチームということができます。
■心理的安全性が低い組織の特徴
●意見が出ない
●成長意欲が低い
●現状維持が多い
●挑戦心のある優秀な人材が辞める
●生産性が伸び悩む
不用意な発言をすれば、自分は罰せられてしまうのではないか、言わない方が安全だという心理が働くため、発言が減り、事なかれ主義、現状維持が横行し、アイディアを考えることすらしなくなってしまい、旧態依然とした仕事の進め方や商品・サービスに甘んじ、競合に負け、優秀な人材は去っていく組織になりがち。
■心理的安全性が高い組織の特徴
●率直に意見が言える
●メンバーの成長意欲が高い
●新しいアイディアが生まれやすい
●チャレンジが評価されるので積極的で優秀な人材が定着する
●生産性が高い
つまり、心理的安全性が高いチームほど、アイディアや意見を出すための心理的ハードルが低く、自由活発にコミュニケーションができるため、メンバーの参加意欲や成長意欲も高まり、イノベーションが起こりやすく、他社にない強みを生み出し、競争に強い組織になっていける可能性が高まるというわけです。
■心理的安全性を高めるためにリーダーのあなたがすぐにできること
●「ありがとう」を言う
メンバーの貢献や行動に感謝の気持ちを伝え、受容れている姿勢を示しましょう。
成果だけでなく、努力を称えましょう。
●聞き上手になる
メンバーの話には、しっかり耳を傾けましょう。
すぐに否定や反論はせずに、まずはその人の考えを受け止めるようにしてみましょう。
忙しい時は片手間に聞くのではなく、自分の手を止めるか、別途、時間を取ってじっくり聴きましょう。
●皆が話せるように促す
ミーティングなどでは、発言力のある特定の人だけが話すのではなく、誰もが均等に話せるように促しましょう。
●多様な価値観を受け容れましょう
自分と異なる意見、少数意見にも注目しましょう。どうしてそう考えたのかに耳を傾けましょう。
●ポジティブな言い方をする
「なぜ出来ないのか」と問い詰めるのではなく、「何があったらできそうか」と未来を話し合いましょう。
ぜひ、今日からお試しください。