心理学をビジネスに活かそう!(18)ほめる効果

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あなたはこの1週間で何回、人をほめましたか?
また、何回、人にほめられましたか?


■人はかなり「ほめられ不足」


研修やセミナーで参加者に尋ねると、けっこう少なく、「ない」「記憶にない」と答える人も多いです。

「髪型を変えたのに気づいてくれない」
「料理を頑張ったのに、夫がほめてくれない」
「頑張っているのに上司は認めてくれない」



特に、管理職や役職が高くなると、あまり人に褒められないせいか、「別にほめられなくても仕事はちゃんとやるから・・・」とコメントする方もいます。「だからあなたも人をほめないのですね」と返すと一同大笑いになります。

実は、かなり多くの人が慢性的な「ほめ(られ)不足」なのではないかと思われます。


■「ほめる」と人はどうなるのか

皆さんは、ほめられると、自分にどんな変化が起きますか?

「嬉しい」

「やる気になる」

「自信が持てる」

「もっとやりたくなる」

そして、ほめてくれた人には「好感」を持ちます。

つまり、ほめることがうまい人は、人に好かれることにもなります。

 

 ■脳科学でも「ほめる効果」が検証されている

脳にある「報酬系」というシステムは褒められると活性化し、ドーパミンが放出され、私たちは強い快感を感じます。すると、脳はさらに快感を得ようとして、やる気になり、その行動を繰り返そうと自らを変化させるという研究があります。



UCLA神経リハビリテーション科のブルース・ドブキン教授が、脳卒中患者179人の歩行リハビリテーションの過程で、ほめられなかったグループよりも、ほめられたグループの方が、歩くスピードが大幅に速くなったと報告しています。

つまり、ほめられることでドーパミンが放出され、脳がもっと快感を得るために神経回路を自己強化したため、歩くという運動に良い影響を与えたというのです。

■ほめる効果


ほめる → 嬉しい → もっと頑張る


シンプルに言えば、ほめる効果とは、このサイクルを作り出すことです。

他者をほめれば、その人の行動を伸ばし、自分をほめれば、自分を伸ばすことにもつながります。

しかし、何でもほめれば良いかというと、そう簡単ではない面もあります。

■ほめ方にも技術がある

●「良い結果だけほめる」

ほめられた人は、その時はやる気になるかもしれませんが、良い結果が出ないとだんだんやる気が失せていきます。悪い結果は隠すようになることもあります。

●「努力や頑張り」「行動したこと」をほめる

仮にすぐに結果は出なくても、行動そのものをほめることで、ほめられた人は、工夫をしながら、その行動を継続していく気持ちになりやすいのです。

●「感謝」(ありがとう)も大切

また、アドラー心理学では、賞罰では人は育たない。ほめることは相手がほめられたいという依存的な態度をつくりだし、ほめられることだけやろうとする自律性のない人を作ってしまう。

だから、上から目線で「評価する」のではなく、対等な関係で「感謝する」ことで、人は「勇気づけ」られ、自律的に成長できると説いています。

「よくやった」 ではなく、「ありがとう」ということですね。


■ほめる習慣を増やす



ほめることが少ない人には「どうほめてよいか分からない」という理由もあります。どんな相手に、どんな時に、どんなほめ方が良いか。そこに自信が持てると、「ほめる」を言葉や態度に出しやすくなりますね。

ビジネスでもプライベートでも、役立てたい「ほめるスキル」。
この機会に「ほめるスキル」を高め、「ほめる習慣」を増やしてみませんか。


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