あなたには「推し」はいますか? あなたの「推し」は誰ですか?
◾️「推し活」とは
例えば、アイドルや俳優、アーティスト、スポーツ選手などへの強い愛情や支持を向けること、また、その対象人物を「推し」と呼んでいますね。
「推し」の出演・出場するイベントやゲームに頻繁に参加したり、関連グッズを買い、コミュニティに参加し、ゆかりのある場所を訪れたりするような活動は「推し活」と呼ばれます。
では、なぜ人は「推し」を求めて「推し活」をするのでしょうか。
⚫︎「推し活」を続けている理由 トップ3
あるアンケート調査によると、「推し活」を継続している理由の上位は…
1.自分の私生活を頑張れる理由になるから
2.「推し」のために尽くしたいから
3.「推し」について語れる仲間がいるから
誰かを応援することで、愛情を注ぐことができ、同じ「推し」の良さを共感的に語るコミュニティを得て、毎日の生活にハリが得られることが、「推し活」継続のモチベーションになっていることがうかがえます。
⚫︎「推し」のために尽くしたい
そもそも人は、何かに満たされたいものです。仕事やスポーツ、ボランティアなど、自分が夢中になって何かに取り組んでいる時は、満たされている状態でしょう。
でも、職場や仕事が思うようにいかずストレスを抱えていたり、病気をして以前のような活動ができなくなったり、離婚や子供の独り立ちなど身の回りに寂しさを感じている時、人は満たされていません。
人は誰しも「愛し愛されたい」ものであり、その愛を注ぎ、尽くす存在が「推し」として現れます。「推し」の応援を通した感情移入や共感は深い感情の繋がりを生み出すことでしょう。
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「推し活」を続けてきた人にとって、このような「推し」の成長や成功、何かを達成するプロセスを共にすることがあれば、自分のことのように達成感や自己効力感、自己有能感までをも感じ取ることができるのではないでしょうか。
⚫︎「推し」について語れる仲間がいる
さらに、「推し活」仲間も重要な意味をもつことがあります。「推し」のどこが魅力なのか、心躍らせるのか、それぞれの思いを共感的に語り合う仲間と場ができます。居心地の良い「居場所」があるということでもあります。
何かの理由で日常「居場所がないな」と感じている人であれば、そのコミュニティへの所属感覚は貴重なものでしょう。
⚫自分の私生活を頑張れる
このように、もっと満たされたいメンタルの状態にある時「推し」に出会うと、自分の空白にすっぽりはまり「推し活」をするにつれ、どんどん自分が満たされていくことを実感していきます。
自分が「推し」を応援することで、「推し活」から自分が励まされる。「推し活」があるからこそ、日々の生活にハリがあり、頑張れるという循環が生まれているようです。
◾️「推し活」を「キャリア形成」に活かす
「推し活」は日頃のストレスや緊張、もの寂しさから逃れ、心の安定やリフレッシュ、毎日の生活にハリをもたらすものです。
その一方で、「推し」を研究することは、自分のアイデンティティを自己理解し、キャリア形成に役立てることにも役立ちます。
⚫︎「推し」に投影されている自分に気づく
「推し」を好きな理由には、自分には無い「輝いて見えるところ」「憧れているところ」があることでしょう。
一方で、(今はまだできていないけれど…)「自分もこうなりたい」「自分もこうありたい」と願っていることが「推し」の中にあることが多いようです。
「推し」を深く理解する過程で、そうありたい、なりたいことを見つけていくことは、「自己理解」を深めていくことでもあります。
・「推し」のどこが好きなのか?
・どういうところに惹かれるのか?
・なぜそういう自分なのか?
自問自答してみましょう。
「難しいことにも思い切って挑戦するところ」
「人に丁寧に接するところ」
「日々勉強していること」
「いろいろなアイディアを駆使して実現していくところ」
思いついたら必ず「言葉」にして残しておきましょう。
「推し」の活動に触れて感動するポイントや、心を揺さぶられるポイント、好きな点には、あなたが共感していること、まねしたいこと、これから実現したい、身につけたい、学んでいきたいことが投影されている可能性が高いです。
・それは、どんな仕事のどんな場面で活かせるのか。
・発揮している自分を想像すると、どんな気持ちになるのか。
「推し活」がますます楽しみになりますね。
◾️どうしたら「推し」に出会えるのか
「推し活」は面白そうだけど、なかなか夢中になれる「推し」は見つからない。どうしたら自分らしい「推し」に出会えるのか・・・という方へ。
⚫︎友人や知人の誘いに乗ってみる
私は、たまたまゴルフ仲間に誘われたテニススクールに勢いで入会しました。過去にテニスの経験はありませんので、初級コースです。毎週通っているうちに、「推し」コーチに恵まれ、その人の指導を目の当たりにして、人の育成や動機づけ、技能の伝え方について、学び直す機会に恵まれました。
⚫︎無関心だった分野の演劇や音楽ライブに行ってみる
人は長年の好みが固定化していることが多いので、狭い分野から抜け出せずにいることが多いものです。
思い切って、これまで行ったことのないジャンルのイベントに参加してみるのはいかがでしょうか。
思いがけない「推し」との出会いが待っているかも知れせんね。