新年度のスタートとともに、採用ツールの見直しを行い学生や求職者の採用を向上させようと考える担当者様も多いのではないでしょうか?しかし、ツールを作ることは目的ではなく、いかに効果的に活用して採用効果に繋げるか、です。
この記事では、今の学生がどのように就職先を選んでいるのかを踏まえながら、採用活動における主なツール(採用HP、採用動画、入社案内、採用ピッチ資料)の役割と使い分けについて、わかりやすく解説します。
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手は、日本ハムファイターズで4年の日本野球在籍を経てメジャーに挑戦しました。当時からメジャー志向の強すぎる大谷翔平選手をファイターズが口説き落とすのに、ある「採用ツール」が活躍したのをご存知でしょうか?
それが表題の「大谷翔平君 夢への道しるべ」です。30ページあまりの資料には以下のようなことが書かれていました。
・大谷選手の夢の確認
・MLB挑戦の実態比較~実は、国内で実績を作ってからのほうが活躍の確率は上がる
・他スポーツとの比較~野球は国内での育成環境が整っている。若年期から無理をして海外に進出するデメリットのほうが大きい。
・日本人の活躍事例~世界で成功した日本人は、日本スタイル(Japan’s Way)すなわち、日本人としての強みを活かした戦い方を国内で磨いてから挑戦している
大谷選手の夢を叶えるためには、若い頃からいきなりメジャーに挑戦するよりも、日本プロ野球界でしばらく活動したほうが近道なのではないか?という内容が、数字を使って丁寧に描かれていました。その結果、高校時代からメジャー志向を公言していた大谷選手は、いったんはその希望を翻し、日本ハムファイターズに入団したのです。
つまり、このプレゼン資料では、大谷選手の「夢」は何かを的確に理解・分析し、自球団の都合を押し付けるのではなく、大谷選手に日本で過ごす価値や意義を、論理的に「提案」したのです。採用プレゼンテーション、のみならず採用活動とは、このようなものであるべきと筆者は考えます。
によれば、「VUCA」と呼ばれる、先行き不透明で将来の予測が困難な時代に生まれた学生は、将来に不安を抱えています。そんな学生に効果のある対策は「自社の情報開示」と記されています。
Z世代を中心とする今の学生たちは、できるだけ不確定要素を排除し、なるべく多くの情報を摂取したうえで「納得」して、就職先を選ぶ傾向があります。そのためには、「感情に訴えること」「論理に訴えること」、いずれもが必要です。
ツール名 |
役割 |
主な特徴 |
採用HP |
情報の基盤・信頼の起点 |
会社情報、制度、募集要項などを網羅。検索やSNSからの導線にも強い。 |
採用動画 |
共感・感情の訴求 |
会社の雰囲気やビジョンを“体感”で伝える。印象づけ・ブランディングに有効。 |
入社案内(パンフ) |
比較検討の材料・制度理解 |
福利厚生、働き方、文化を深掘り。紙やPDFでの使いやすさも◎。 |
採用ピッチ資料 |
納得の後押し・決断支援 |
入社後のキャリア像、企業の強みを論理的に構造化。説明会や面談と相性抜群。 |
採用HPの役割:信頼と情報のハブ
採用HPは、学生が企業研究をする際に必ず確認する「公式情報のベース」です。すべての採用ツールの“ハブ”として、以下のような役割があります:
ただし、静的な情報中心のため、感情を動かす・納得を深めるといった効果は限定的です。
採用動画の役割:空気感を伝える「感情ツール」
動画は会社の“雰囲気”をダイレクトに伝える力があります。実際の社員の表情や声、働く風景などを通して、学生に「この会社、なんか好きかも」と感じてもらう第一歩に。
ただし、情報の網羅性やロジカルな比較には向いていません。
採用ピッチ資料の役割:論理で支える「納得ツール」
「なんとなくいい会社」から「ここで働く意味がある」へと気持ちを引き上げるのが、採用ピッチ資料の役割です。
動画では伝えきれない論理や裏付けを補う、いわば「納得を生むためのプレゼン資料」です。特に、母集団形成が難しく、他社との比較に常にさらされる現在の採用市場においては、「自社でしか提供できない価値」を論理的にプレゼンテーションすることは大変重要です。
入社案内(パンフ)の役割:紙やPDFで情報を網羅的に伝える
パンフレットは、福利厚生や制度、働き方などを詳しく紹介する資料です。対面での説明会や来社タイミングで手渡され、紙の場合は持ち帰ることが出来るため、ご家族の方にご覧いただくきっかけにもなります。
採用活動においては、これらのツールを“全部やる”のではなく、それぞれの強みを活かして役割分担し、連携させることが重要です。
就活生は、一つのコンテンツだけで企業を決めるわけではありません。
「共感」→「比較」→「納得」というプロセスを経て、ようやく「ここにしよう」と決断します。
人事としては、それぞれのフェーズに合ったツールを設計・整備し、学生の“意思決定の旅”をサポートするのが最も重要な役割です。
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