[施工管理の採用は難しい」は当たり前。ーそれでも、25万円で有資格者23名からの応募を得た理由ー

【施工管理って採用できないよね?に終止符】ー予算25万円で有資格者23名を動かした、採用の裏ワザとは?
建設業界の人材採用において、「施工管理職」の確保は常に難関です。
人事・採用担当者の多くが「予算をかけても集まらない」「条件を整えても反応が薄い」と頭を抱える中、今回、25万円の広告費で有資格者23名の応募(応募単価10,869円)という成果を出すことができました。
このコラムでは、なぜ施工管理の採用がここまで難しいのか、その背景とともに、今回成果が出た求人設計の工夫を紐解き、今後の採用戦略に活かせる“リアルな気づき”を共有します。
1、 施工管理採用の「構造的な難しさ」
施工管理職の採用が難しいのは、単なる「人気職種じゃないから」という理由では済みません。以下のような構造的・業界的ハードルが複数重なっています。
① 有効求人倍率6倍超
施工管理技士の求人倍率は、全職種平均をはるかに上回る高水準。1人の有資格者に対し、常に5〜6社以上が同時にアプローチしている“売り手市場”です。
② 業界の高齢化と若者の忌避
建設業従事者の3人に1人以上が55歳以上。若年層には「3K(きつい・汚い・危険)」の印象が根強く、敬遠されがち。若手人材の母集団形成すら困難です。
③ 国家資格の取得ハードル
1級施工管理技士の合格率は30〜40%。業務経験や受験資格に年数が必要なため、育成コストと時間がかかり、即戦力採用は狭き門となります。
2、 それでも応募が集まった理由
このような採用難の中でも成果が出たのは、求人の設計段階から「ターゲットと向き合ったリアル設計」を徹底したからです。
1)“応募者が本当に知りたい情報”を開示
求職者は「働く環境」「自分に向いているか」「将来性」の3つを重視します。今回の求人では、
• 直行直帰/1人1現場/転勤なしで働き方を明確化
• 空調服・スマホ勤怠・副業OKなど現場の“快適さ”を可視化
• 定着率94%/安定性を強調
──といった情報を丁寧に伝え、「安心して応募できる職場像」を明示しました。
2)“訴求対象を絞った”ことで響いた
今回の応募条件は【資格保有者限定】。ハードルは高いように思えますが、実は“ターゲットを絞る=刺さりやすい”という効果があります。
加えて、
• 資格手当を具体額で提示(最大3万円)
• 資格取得支援は「全額補助+奨励金」あり
• 将来的に親会社への転籍も可能
という、資格者にとって魅力的な設計が、応募意欲を強く後押ししました。
3)“40代・50代の転職希望者”にフィットした設計
平均年齢49歳という実績や、役職定年なし・嘱託雇用ありという点が「長く現場で働きたい中堅層」にマッチ。40〜50代の応募者が多かった点も特徴です。
3、 人材確保に必要なのは「変える覚悟」
人手不足の時代に、従来型の求人では成果は出ません。
“とりあえず仕事内容と年収だけ書く”時代は終わり、「誰に・何を・どう伝えるか」を意識した求人が求められています。
採用が難しいのではなく、「難しい市場にふさわしい求人を設計できていない」のかもしれません。
今回のように、母集団形成を“構造的理解”から逆算すれば、採用難職でも十分戦えます。
4、 まとめ
・施工管理職は構造的に採用が困難な職種
・しかし、ターゲット理解×情報開示×専門性訴求で成果は出せる
・”誰でも採れる求人”より、”誰かに深く刺さる求人”をつくることが鍵
施工管理のような難易度の高い職種こそ、求人設計のセンスと戦略が試されます。
「もう人が取れない時代」と諦めるのではなく、「どうすれば選ばれるか」を考え抜いたとき、採用は再び動き出します。