ライドシェアとタクシードライバーの人材不足

2024/02/26

RICTEC事業部の山口です。

今回は最近ニュースなどでよく聞く「ライドシェア」とその背景にあるタクシー業界における人材不足について書こうと思います。

・「ライドシェア」とは
まず前提として、そもそも「ライドシェア」とは何なのかですが、
ライドシェアとは文字通り、Ride（乗る）をShare（共有）することを意味します。
早い話が「相乗り」です。
日本においては一般人が自家用車を用いて有償で他人を運送する行為、
いわゆる「白タク」は取り締まりの対象になっているため、
金銭のやりとりを実費（ガソリン代、高速道路利用料など）の
範囲内に制限した無償のライドシェアの利用が普及しています。
※出典：ライドシェアとは。日本の普及状況。カーシェアリングとの違い（チューリッヒチューリッヒ保険会社）

　

その様な中で2024年4月から一般ドライバーが有償で顧客を送迎する「ライドシェア」が2024年4月に条件付きで利用できるようになります。
その条件というのが、タクシー会社が事業の一環として地域の自家用車とドライバーを活用して行うことというものです。
タクシー配車アプリのデータを活用し、タクシーが不足している地域や期間、時間帯に限定して、ライドシェアが実施される条件付きの運用となります。
また、タクシー会社がドライバーの教育や運行管理、車両整備管理等の安全確保を行い、
運賃もタクシーと同じになるとみられ、運送責任もタクシー会社が負うとされています。
タクシー会社にはドライバーに対し出発前の点呼や指導監督が義務付けられており、
タクシー利用者側から見ると、安全面等において、現行のタクシーサービスと同様のレベルが確保されると想定されます。
※出典：タクシー業界に最大限配慮…「ライドシェア」4月開始、決めるべき課題（日刊工業新聞 2023年12月21日）

・規制緩和の背景
では何故今回この様な規制緩和が行われるのか。
背景にはタクシードライバーの人材不足が挙げられます。
近年の高齢化に加え、コロナ禍で離職が増えたため、タクシー運転手の数が減少しました。
観光客が戻り、タクシー需要が高まればさらなる不足が懸念され、実際にタクシーがつかまりにくいと不満の声も上がっています。
※出典：日本はライドシェア解禁を検討中？現状と背景、種類やメリット・デメリットも解説（freee株式会社　2024年1月31日）

私は今まで2024年問題に伴うトラックドライバーやバスドライバーの人材不足に言及してきましたが、タクシードライバーも例外ではないです。
ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示が今年の4月1日から施行されます。

　自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト（厚生労働省）
　https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/taxi/notice

上記サイトには人材不足に対してITや企業努力でカバーする企業も紹介されていますがそれにも限界があると思います。
少なくとも公募での求人活動は避けては通れないと思います。
そこで次章にてタクシードライバー求人のコツのさわりだけ示せればと思います。

・タクシードライバー求人のコツ
タクシードライバーは採用難易度が高いので、採用成功確率を高めるためには、
狙う人材の母数を多く取ることが必要です。そのため、未経験者の採用を視野に入れることも重要です。
事実、タクシードライバー未経験者を募り採用に成功している企業は多いです。

この際、未経験者のサポート制度を採用活動で十分にアピールすることが大切です。
『普通自動車第二種免許』取得費用の支援制度や、入社後一定期間は月収を保証する制度、
さらには研修制度などが考えられます。
未経験者の不安を払拭できれば、採用成功の確率を高められます。

自社の採用基準に当てはまる人材に応募してもらえるだけの魅力は自社にあるか、
あるとしたらどんな部分かといった視点で「自社の魅力」を整理しましょう。

「特に無い」と考えてしまう企業もいらっしゃるかもしれませんが、
自社で働いている方がいる以上、必ず何かしらの魅力はあるはずです。
給与・休日などの待遇・労働環境以外にも、
人間関係といった点に魅力を感じている方もいらっしゃるかもしれません。