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心理学をビジネスに活かそう!(8)「フロー」状態

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心理学をビジネスに活かそう!(8)「フロー」状態

皆さんは「時間を忘れるほど、没頭した体験」はありますか。
 
・受検勉強に集中していて、気がついたら朝だった
・一日中、夢中になって楽器を弾き続けていた
・新しい発見を予感し、無我夢中で研究に没頭した

仕事で、スポーツや芸術で、読書、ゲームで、研究や趣味で、時間を忘れるほど「没入」した体験が、きっと皆さんにもあるのではないでしょうか。

■フロー状態とは

人がある活動に没頭し、全身全霊で集中し、時間を忘れて没入する状態のこと。

ハンガリー出身の心理学者 チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi, Ph.D.)は、少年時代、第二次大戦後の荒廃した祖国で、家や仕事を失うなど生きる希望を失っている人を見た体験が、その後「生きるとは何か」「幸せとは何か」を考えることにつながったようです。

その後、渡米し、心理学を学ぶ一方で、「毎日の生活の中で、どんな時に幸せを感じるか」を研究するため、スポーツ選手や芸術家、科学者などをインタビュー。その結果から、クリエイティブな活動や高いスキルを求められる仕事に没頭している時、疲れを感じず、時間を忘れて活動を続け、持続的な満足感が得られていることに気づきました。

この心理状態を彼は「フロー」と名付けたのです。



では、このフロー状態を仕事や職場で作り出すと、どのような利点があるのでしょうか。


■仕事でフロー状態になることのメリット

 ●仕事に楽しさを感じられる
 ●高い成果を発揮できる
 ●自己成長感、充実感・達成感、自尊心が得られる
 ●集中力を高め、ストレスを軽減できる
 ●スキルが向上する
 ●職場・仕事へのエンゲージメントが高まる



では、どうしたらフロー状態にはいれるのか・・・。

フローの特徴をヒントにしてみましょう。

■フロー状態を生み出すために

1.目標が明確

  やるべきことは決まっており、迷いがない。
  その過程の積み重ねが結果を生み出します。

2.即座にフィードバックがある

  素早く手応えが感じられる。
  さらに行動のモチベーションが上がる。


3.能力とチャレンジが釣り合っている

  スキルと比べて、高過ぎず、低過ぎない目標。
  もう少し力を出せば、できるイメージが持てる。

4.とにかく集中している

  その仕事と一体になった感覚。
  注意が散漫になることが無い。

  
5.「現在」に重きを置いている

  過去を悔んだり、未来を心配することがない。
  現在、今、目の前のことだけに集中できる。


6.自分でコントロールしている

  人からせかされることもない。
  すべて自分の裁量でやっている感覚。


7.人の目を気にしない

  他人にどう思われるかを気にしない。
  やっていること以外は意識の外に置いている。

8.時間を忘れる

  時間が停止しているほどの没入感。
  あっという間に時間が経つ感覚。

9.活動そのものに喜びや充足感を感じる

  活動で得られる結果や報酬よりも、
  活動そのものが楽しいと感じ、
  充実感や満足感が得られる


 
職場でフローを活用しょう

このように、フローという心理状態は、工夫次第で誰でも生み出すことができます。



仕事や職場で、自尊心や充実感を感じながら仕事に取り組め、成果を生み出し、スキルを高め、さらに、ストレスも軽減します。仕事へのモチベーションも高まり、生産性やエンゲージメントの向上、そして個人と組織の成長まで、多くの成果が期待ができそうです。

個人の仕事で。会社の職場で。
フロー状態を上手く作り出し、健やかなパフォーマンス向上を目指していきたいものですね。

 

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