(6)感情表現スキルを磨こう!/社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

あなたの自分の気持ち、どのくらい人に伝わっていると思いますか。
感情表現は、対人コミュニケーションに大きく影響しています。
周囲との良い関係を築くためには、この感情表現力を磨いておくのも良いでしょう。
【感情表現の豊かな人】
気持ちを口に出したり、パッと表情やしぐさに表われます。
わかりやすく、裏表のなさを感じさせ、人なつっこくて、つき合いやすい印象ですね。
自分に素直で、自信があり、人前に出るのが苦ではない人に多いようです。
【感情表現の控えめな人】
人前では、感情表現を抑えて、ストレートに表現しない人もいます。
何を考えているかよくわからず、おとなしい印象、とっつきにくい印象をもたれます。
感情表出は無用と思っていたり、理詰めの説明や説得が得意な反面、感情に関するボキャブラリーが少ない人、また、恥ずかしがりで、表現に自信がない人に多いです。
【感情表現のデメリット】
ただし、感情表出には、デメリットもあります。
あからさまな感情の表出は、騒々しく、相手を不快にさせてしまうこともあります。
また、相手に悟られたくない感情が顔に出てしまい、関係が悪化することもあります。
つまり、良好な対人関係を築いていくためには、必要な時に、適切な表現で、適度に感情を伝えていく「感情表現スキル」が大切だということです。
言葉で自分の感情を相手に表現し伝えるスキルです。
●ノンバーバル(非言語)・スキル
言葉以外(表情・ゼスチャー・声のトーンなど)で感情を伝えるスキルです。
気の利いた表現はできなくても「ありがとう」などの感謝言葉なら、すぐに言えますよね。感謝されて嫌な人はいないはず。まずは感謝の感情表現から始めてみませんか。
行動範囲を広げ、できるだけ多くの人と話す機会を増やすことで、自分には無い価値観に基づく感情に気づき、表現力の幅を広げてみるのも良いでしょう。
また、SNSやブログ、日記を書くなど、気持ちを伝える習慣を増やすことで、自ずと語彙力は高まります。
喜び→「嬉しい」「舞い上がる」「ウキウキ」、怒り→「激怒」「憤怒」「イライラ」など、テーマごとの感情語をたくさん集めてみるのも面白いですね。
人に話す時に、表情、手振り、声の出し方など、何か一つ非言語表現を加えてみるのも良いでしょう。オンライン会議なども、うってつけの練習場ですね。(1)の感謝ことばも、ふさわしい表情・ゼスチャー・声色でお願いします。
好きな俳優の演技を真似てみたり、気持ちを載せて唄うカラオケもいい練習ですね。
そして、何事もなかったかのように振舞う「ポーカーフェース」の練習も大切です。
人に悟られてはならない感情を抑える練習です。自己コントロールの力を発揮します。
人目が気になると、感情表現がしにくくなる人もいます。
自分は人より劣っているという心理が働くと、恥をかくことが怖くなります。
・本当の自分を知られたくない
・自分を良く見せたい
・失敗したくない
・目立って、仲間外れになりたくない
…という気持ちが、自分の行動を抑制してしまいがち。
この羞恥心の囚われから解放されたい人に、私はよくこんなアドバイスをします。
(a)「あなたが想像するより、他人はあなたに興味を持っていませんよ」
ちょっと目が合うと「睨まれた」と感じてしまうなど、人に見られているという過剰な自意識を減らすことで、気持ちが楽になります。
(b)「70点でいいよ」
100点を目指すと、一つの失敗も許されません。でも現実は、小さな失敗はつきもの。
リカバリーできる失敗は恥ずべきことではないですよね。完璧主義を捨てましょう。
(c)「人前に出てみようよ」
引っ込み思案なタイプの方は、失敗する場面を想像するだけで、人前に出ることをやめてしまうので、人前で失敗することに不慣れです。少し勇気を出して、人前に出る、人前で発言する場に踏み出してみましょう。失敗はしますが、だんだん慣れてしまい、そんなの普通のことになれば、もう大丈夫です。
次回は、【アサーション/言いづらいこと、言いたいこと、自分の気持ちを素直に伝える技術】です。