2022年4月の有効求人倍率が厚生労働省より発表されました。

「宿泊業・飲食サービス業」の新規求人数が49.3%の大幅増。
2022年5月31日、厚生労働省より2022年4月度の有効求人倍率の発表がありました。じわじわ高まる求人倍率の中で、宿泊業・飲食サービス業での新規求人数の大幅アップが特長的な月となりました。
1、有効求人倍率について
有効求人倍率のデータは、ハローワークに提出している求人票の件数と求人登録をした人数で計算されています。有効求人倍率の計算式は以下の通りです。
またこの係数を見る時には以下3点に留意する必要があります。
- 2019年9月以降は、窓口で受け付けた求人インターネットでの求職登録者を含んだ数になっていること。
- 2020年1月からハローワークに提出する求人票の項目が拡充され、一時的に企業が提出を手控えていたこと。
- 2020年3~4月ころからCOVID19が流行したことなどで、単純に過去と同じ基準で比較ができないこと。
2、2022年4月求人倍率の全体像
※厚生労働省より発表(2022年4月の有効求人倍率) ※暦年の数値は、原数値の月平均値
厚生労働省の2022年4月のデータをみると、新卒及びパートタイム除いた転職者層の有効求人倍率は1.26倍となりました。
2年前の2020年2~4月からCOVID19の影響が大きくなり、雇用などにも大きく影響しました。2020~2021年まで通年で1.12倍が続いていましたが、徐々に改善していることがわかります。
3、業界別に見た新規求人数の変化
対前年同月比で最も新規求人数が伸びたのは「宿泊業、飲食サービス業」でした。COVID19対策が徐々に緩和されて昨年末から求人数が伸びていましたが、4月はここ1年で最も高い伸びとなる49.6%増を記録しました。
■主要産業における対前年同月比の推移(新規学卒者を除く:単位%)

4、労働人口の減少に備えて
COVID19が流行するとは予想していなかった2019年度の求人状況は、有効求人倍率1.51倍、新規求人倍率
2.20倍という非常に高い状況で、団塊ジュニア世代リタイアと数年後の少子化などで、労働人口の減少が数10年と続くことが予想され、先を見据えて各社が様々な手段を講じて人材調達を行おうとしていた矢先だったと記憶しています。
現在の求人状況は2020年~2021年の印象に引きずられると採用しやすい環境ではないかと思われがちですが、
既に2019年度のような採用難の状態に突入していると考えられます。
私共が人事担当者様から「採用難」のお声を良く聞くようになったのが、2021年の秋口ごろ、新規有効求人倍率が2倍を超えたあたりからでしょうか?
今後欠員や増員をご予定されているようでしたら求人募集のご計画の前倒しや採用予算増額、既存社員へのリテンション策の強化、業務のDX化などを講じられることをお勧めさせていただきます。
今後も引き続き、求人倍率などをウオッチしながら情報共有をさせていただきます。