(1)「セルフアウェアネス=自己認識力」社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

感情を自分らしくマネジメントする「EQ」を発揮するためには、まず自分の感情状態に気づく「自己認識力」が重要です。そして自己認識力には2つの方向があります。
●私的自己意識
自分の気持ちや考えに対する意識です。この私的自己意識が高い人は、自分は今、
どんな気持ちなのか、いつも確かめようとします。そのため、自分の信念や自分が
何をしたいのか、何をしたくないのか、気持ちや信念にも正直です。
●社会的自己意識
他人にどう見られているかを考えることです。この社会的自己意識の高い人は、人
の目や他者の評価が気になります。ルールやマナーを守り、身だしなみやお洒落に
気を配る人も多いでしょう。また周囲の期待に応えようとする行動が多くなります。
●私的自己意識と社会的自己意識のバランスでみると…
私的自己意識が高く、社会的自己意識が低い場合は、人の目を気にせずに自分の考
えに沿って行動する傾向が強く、逆の場合は、自分の気持ちとは違っていても、周
囲の人の期待に沿った行動を取ろうとすることが多いでしょう。
2つの自己意識がバランスよく発揮できる人もいれば、自分の気持ちにも他者の気
持ちにも関心が向かない、つまり自己認識力の低い人です。多忙な人に多いです。
どのパターンが良いというわけではありません。
大切なのは「あなたにとってどうか」です。
いつも人の顔色ばかりうかがっていて「窮屈さ」を感じたら「本当は自分はどうし
たいのか」と自分に問いかける習慣を増やすのも良いでしょう。
また、あまりに自分本位で行動していると気づいたら「あの人はどう思っているん
だろう」と周囲の期待を考えてみることで、行動が変わることもあります。
<今日からできるトレーニング>
A)私的自己意識を高めるエクササイズ
・一日の感情の変化を書き出す習慣をつくる(日記・手帳・ブログに書く)
B)私的自己意識を低めるエクササイズ
・他人やチームは何を期待しているか考える
・スポーツで体を動かす
C)社会的自己意識を高めるエクササイズ
・自分の印象や行動評価に耳を傾ける(身近な人に頼んでみる)
D)社会的自己意識を低めるエクササイズ
・今取り組むべきことに集中する
・誰の目が気になるか、その理由も整理する
さあ、あなたは今日からどんなことに取り組んでみたいですか?
●次回は(2)「嫌な出来事や不安と向き合う力」をお伝えします。