(2)「気持ちを切り替える力」社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

嫌な出来事や不安と向き合う力
あなたは、最近、気持ちが落ち込んだ体験をしましたか。
また、何かに不安を感じていることはありませんか。
感情を自分らしくマネジメントする「EQ」。
先週お伝えした「自己認識力」には、気持ちの落ち込みから回復したり、不安を解消していくことに役立つものもあります。
●抑鬱性
失敗や過去の嫌な出来事での気持ちの落ち込みや、継続的に悲観的・否定的な考えにとらわれること。
抑鬱を強く長く感じる人は、いつまでもクヨクヨと考えてしまいます。
逆に、過去の嫌な体験を早く割り切れる人は、気持ちの切り替えが早く上手です。
●特性不安
現在や将来の出来事に対する不安や心配の感じやすさのこと。
特性不安が強いと、初めて取り組むことや初対面の人と接する際に、物怖じしてしまいがちです。
特性不安を感じない人は、躊躇せずに初めの一歩を踏み出せる人、人見知りしない人です。
●それぞれのメリット・デメリット
「抑鬱性が強い」人のデメリット
●気持ちの切り替えに時間がかかること
些細なミスでも自責の念に駆られしまい、物事への取り組みや人間関係にも消極的になりがちで回復が遅れます。
「抑鬱性が強い」人のメリット
●「失敗から学ぼうとする」姿勢があること
失敗した時に、原因を振り返り、次に活かそうとします。
「抑鬱性が弱い」人のデメリット
●「反省しない」「同じ過ちを繰り返す」
過去や自分を振り返らないので、原因をつかめない、反省しない傾向があります。
「抑鬱性が弱い」人のメリット
●ダメージからの回復が早い
過去の失敗や過ちにこだわらず、くよくよ考え込まないため、気持ちの切り替えが早い傾向があります。
「特性不安が強い」人のメリット
●「慎重に行動する」「入念に準備する」
不安を感じやすいからこそ、無鉄砲な行動を避け、よく考えてから行動する。準備を怠りません。
「特性不安が強い」人のデメリット
●「物怖じする」「人見知りする」
初めてやることに躊躇したり、初対面の人と接するときに消極的になりがちです。
「特性不安が弱い」人のデメリット
●「軽率な」「迂闊な」言動がある
あまり考えずにした言動が、場合によっては、軽はずみで、後悔することがあります。
「特性不安が弱い」人のメリット
●「躊躇しない」「行動が早い」「人見知りしない」
素早く最初の一歩を踏み出せる。初対面の人にも臆せず交流できます。
<今日からできるトレーニング>
A)失敗で気持ちが落ち込んだ時
・原因を切り分けて、不要な思い込みを手放す。
失敗の原因を必要以上に自分の責任として背負い込んでいないかチェックしましょう。
不可抗力や自分以外に原因がある場合も多いものです。
B)同じミスを繰り返してしまった時
・失敗から学んだことを書き出してデスクに貼る
言語化、視覚化することで、意識できていなかったことを振り返る習慣が身に付きます。
C)不安に駆られて行動が鈍った時
・不安材料をリストアップし、それぞれの対処を書き出すなど確認する
・日頃からチェックリストを活用する
不安を漠然としたものから、具体的なものにすれば、対処方法が準備できて不安を解消できます。
チェックリストをすべてチェックしてあれば、自信をもって次の行動に移れますね。
D)軽率・迂闊な自分の言動に気づいた時
・何かする際、一旦立ち止まって「計画」「準備」の時間をとる習慣をつける
・過去にも無謀な発言がなかったか、振り返る
何かに着手するときに、思いつきだけで始めようとしていないか、他にも、やり方はないかを考えてみる習慣にしましょう。
また、軽はずみだったなと感じたら、他にもそういう言動がなかったかをチェックして、次はどうするかを考えておきましょう。
さあ、あなたは今日からどんなことに取り組んでみたいですか?
●次回は(3)「怒りの感情をコントロールする力」をお伝えします。