(4)「やればできる感」=セルフ・エフィカシー/社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

何かはじめて取組む場面で「私にはムリ」「きっとうまくいかない」と尻込みしてしまうことはありませんか。逆に「私はやればできる」「今度もきっとうまくいく」感を感じる方は、ひるまず、おじけづかずに、初めの一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
この「やればできる感」は「セルフ・エフィカシー(自己効力感)」と呼ばれます。
セルフエフィカシーが高いメリット
・自分は成功できるというイメージを持ちやすい
・自分の知識、経験、能力に自信が持てる
・自己成長に対する志向が強い
・自信に満ちた姿勢や態度で活動する
・何事にも積極的に取り組む
セルフエフィカシーが高いデメリット
・根拠のない自信(自信過剰)な行動で失敗する
・「うぬぼれが強い」といった印象を周囲に与える
セルフエフィカシーが低いデメリット
・自分の知識・能力に劣等感をを感じてしまう。
・思い切ったチャレンジができない
・成長への意欲が生まれない
・物事への取り組みが消極的になる
セルフエフィカシーが低いメリット
・謙虚な姿勢 (できないことを認めて素直に学ぶ)
カナダ人の心理学者 アルバート・バンデューラ(スタンフォード大学教授)は、このセルフ・エフィカシーを高めるための4つの視点を提唱しました。
(1)成功体験
人には、必ず何かの「成功体験」があります。
「あの時は、難しい状況を頑張って乗り越えることができた」「あきらめずに取り組んだら、まずまずの結果を出せた」というような、頑張って乗り越えた体験です。
小さくても、成功体験を積み重ねていくことで、自信が持てるようになります。
(2)モデリング
他者が成功したことを観ることで、自分にもできると感じることです。
「あの人ができたのなら、私にもできるかも」「あの人が頑張れるなら、私にも頑張れる」という感覚です。自分と共通したものを持つ人が成功のモデルになるのです。
(3)社会的説得
「あなたなら、きっとできる!」と人に言われることです。
(4)生理的・感情的コンディション
誰しも、病気の時や疲労、心の負担を感じている時は、自己効力感は下がります。
逆にこころと身体のコンディションを高めると、「できそうな自分」を感じます。
<今日からできるトレーニング>
A)成功体験を書き出してみる
・これまでに頑張って乗り越えた体験をノートにいくつも書き出してみましょう。
・それを眺めながら、あなたの「やればできる感」を思い出してください。
B)スモール・ステップ法
・いきなり高い目標だけを設定すると、届かずに挫けてしまいがちです。
・最終目標までの、小さな階段を描き、一段一段上がっていきましょう。
・一段上がったら、成功を噛みしめて、自分にご褒美をあげましょう。
C)モデルになる人を見つけましょう
・人の成功は結果ばかりに目が行きがちですが、意外と苦労しているものです。
・難しかった、苦労した、頑張った、工夫した、体験談を聞いてみましょう。
D)ほめてくれる、励ましてくれる人と会話する
・一人で考え込んでないで、人に話してみることで、エールをもらいましょう。
・SNSでもOK。励ましてくれる人、応援してくれる人と、つながりましょう。
E)体を動かし、ストレスを解消する「食う」「寝る」「遊ぶ」
・適度な運動は、適度な食欲や心地よい疲労感を呼び込み、良く眠れます。
・体調や心の健康こそが、自信の源になることがあります。
ぜひ、今日からお試しください。
次回は、「『なんとかなる!』楽観的思考をつくり出す力」をお伝えします。