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(11)「相手の立場で理解する」【共感力】/社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

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(11)「相手の立場で理解する」【共感力】/社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

あなたは周囲から「聞き上手」といわれることがありますか。人は意見や考え、気持ちを話したいように話せる相手には相談しやすいものですね。逆に、こちらの立場は考えないで、すぐに、打ち消されたり、反論される相手には相談しづらいのではないでしょうか。

「聞き上手」な人とそうでない人との違いは「相手の立場に立てる」かどうかです。

◆共感力とは

「共感力」広辞苑にはこうあります。「他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること」

 でも、相手と全く同じ気持ちになるのは難しいと思います。 人はぞれぞれ皆違いがあるからです。

そう簡単に共感しないし、安易に「あなたの気持ちわかります」などと伝えることは、相手からは、嘘っぽく聞こえてしまいます。

例えば、相手から不幸な体験を聞いたとしても、全く同じ悲しみを感じて「あなたの気持ちがわかります」と心から言える人は少ないでしょう。

言えるとすれば、自分も「同じ体験」をした人だけかもしれません。同じ体験、類似の体験がある人は、相手の話が心にしみることがあるでしょう。

では、同じ体験など無いのに、相手の気持ちを共有するにはどうすればよいのでしょうか。


◆共感的理解

相手が語ったことを、自分の立場ではなく、相手の立場で見ようとすること。あたかも我がことのように感じようとすること、理解しようとすること。

相手が悲しければ自分も悲しくなるというわけではありません。もし、私がこの人だったら「さぞかし悲しい気持ちになるのだろうな」と相手の目線や立場で理解しようとすることです。

「共感的理解」は、あなたの「相談力」を高めます。

それは、あなたが相手にとって「私をわかってくれる人」になれるから。わかってくれる人には、人は安心して自分のことを話すことができるからです。


■相談力を上げる「共感的理解」を磨く習慣づくり



(1)遮らないで聴く

「それ、まちがっている」「普通そうじゃない」と感じても、そのことをすぐに言い返すのではなく、まずは相手が話したいように、話してもらうこと。自分の考えや基準は、ひとまず横に置いて、話を聴くようにしてみることです。

(2)反論しない、否定しないで聴く

「それ、まちがっている」「普通そうじゃない」と感じても、そのことをすぐに言い返すのではなく、まずは相手が話したいように、話してもらうこと。自分の考えや基準は、ひとまず横に置いて、話を聴くようにしてみることです。

(3)相手の立場や事情を想像しながら聴く

どんな事情があってそうしたのか。この人の目にはどう映っているのか。相手の置かれた状況や事情、さらには、この人にはどんな基準があるのかに関心を払い、なぜその人がそう行動したのか、感じたのかをわかろうと努める。

(4)分かったことを言葉で伝えて、確かめる。

「あなたには、こう思えたのですね」「だからこうしてしまったのですね」のような応答になることが多いです。


■信頼関係を築く

これは相手の話に「同感」「同調」することでも「同情」することでもありません。あくまでも相手の立場ではこう感じているのだという理解のしかたです。

最初から否定や反論、アドバイスをするのではなく、相手が「この人は私のことをわかってくれる人」と感じ、自分のことを充分に話せた後で、「異なるものの見方」や「助言」を伝えることで、効果的な相談の流れがつくれるでしょう。

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最終回は「リーダーが備えておきたいEQ」です。

 
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