(12)【リーダーが備えておきたいEQ】/社会人に求められるもう一つの能力「感情知能(EQ)」

組織や職場のリーダーには、どんな能力が求められているでしょうか。EQ(感情知能)の立場からみると、次のような能力が欲しいところです。
(1)セルフ・アウェアネス(自己認識力)
部下とチームを組むリーダーは、部下の出来・不出来を評価したり、不足している能力を指摘することは容易ですが、リーダーの自分にはどんな特性があり、不足している能力は何かを素直に自分と向き合い、正しく認識して、さらにメンバーにもオープンにするというのは、かなりハードなのではないでしょうか。
ただし、自分のウィークポイントを率直に認め、開示できるリーダーは、部下の目にも好ましい上司として映り、協力や補佐を得やすくなるという恩恵を得られるのです。
(2)感情コントロール
メンバーやチームにも感情があります。リーダーが良い影響を与えるために、最も大切なのは、リーダー自身が感情に流されないことです。
特に「イライラ」「怒り」などのネガティブな感情は伝染しやすいもの。その怒りは相手に向かえば攻撃的な行動として表れてしまい、場合によっては部下には受け入れ難いものとなるでしょう。「パワハラ防止」「上手に叱る」「モチベーション」の面からも、特に「アンガーマネジメント」はリーダーにとって重要な能力の一つです。
(3)感情表現力
リーダーには説得力が求められます。順序立てられた明解な指示。論理的思考力が必須です。でも、説得力あるリーダーであるためには、上手な「感情表現」も大切です。
「いつも正論を言われてしまう」「理屈はわかるけど、気持ちがついて行かない」
こんな受け止め方をされてしまえば、メンバーのモチベーションは上がりませんね。
一方、リーダーの思いや熱意、本気度が、伝わってくるような口調、視線、表情、身振り手振りなどを伴って、情緒的に訴えてくる場合は、メンバーにはリーダーのやる気や感情が、我がことのように感じられるのではないでしょうか。
(4)共感力
ビジネスシーンでは、理性的な側面が重視されがちですが、人は必ず感情を伴って行動しています。仕事をしながらも、別のことが気になってそわそわしていたり、思う通りにはかどらずに焦っていたり、直前に嫌なことがあってイライラしていたり…。
そのことを発言では訴えないにしても、いろいろな感情が隠れていることもあります。
まして、チームにとって大切な仕事を、どんな気持ちを伴って取り組んでいるのか。
リーダーが指示をしたそのことをメンバーはどのように受け止めているのか。
必要に応じて、メンバーの話をしっかり聴き、相手の視線で、相手の立場で理解するように努めることで、リーダー・メンバー間での感情面の共感をつくり出すことができます。メンバーの気持ちを理解し、その気持ちを踏まえた上で、手を差し伸べたり、関わることで、チームのモチベーションは見違えるほど高いものにできるでしょう。
■EQリーダーシップを磨く第一歩 「自分のEQを知る」
リーダーがEQ発揮のために、まずやるべきことは「セルフ・アウェアネス」です。
自分のどのような特性がどれくらいの発揮度合いなのか。そのことは、どのくらい望ましく、また、望ましくないのかについて、客観的に捉えることです。
EQI(行動特性検査)は、感情にまつわる自分の行動傾向が客観的に捉えられ、自分にはどんなクセがあり、それはリーダーの自分にとって、どんな「強み」「弱み」につながるのかを分かりやすく分析することができます。
(2)EQ自己分析セミナー
EQI(行動特性検査)の読み解き方を知るととともに、自分が活かせる強み、改善したい課題を明確にし、どんな変化を生み出せば良いかが分かります。
その上で、リーダーに必要な能力開発や受講したいトレーニングを見つけていきましょう。